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平成狸合戦ぽんぽこ】名言、名台詞&英語表現集

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「平成狸合戦ポンポコ」は1994年に公開された高畑勲監督による劇場用アニメーション作品である

今回は本編中に登場した個人的名言、名台詞を集めてみた。

とりあえず、現状で私が個人的に思う「平成狸合戦ポンポコ」の3大名言、名台詞を挙げておくと、

  • オラたちタヌキはヒトがいい。調子に乗る、サービスしすぎる!
  • 人間どもの方がタヌキだったんだ!
  • ウサギやイタチはどうなんですか?

である。皆さんはどうだろうか。

また、名言や名台詞は通常とは異なる言い回しが用いられることも多く「英語でどう言ってるんだろう?」と疑問に思ったことがあったので、英語表現についても調べてみた。ちなみに「平成狸合戦ぽんぽこ」の英題は・・・

Pom Poko

となっている。

*以下の英語表現は市販のBlu-rayの字幕をもとにしています。また吹替版も参考にしています。

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Contents

平成狸合戦ぽんぽこ」の名言、名台詞と英語表現

ぽん吉の名言、名台詞と英語表現

「だけど…あいつらみんな追い出しちまったら、もう食えないよ天ぷら。さんまの干物。トウモロコシ。」

英語表現

But… if they all go away, we’ll never eat tempura again. Or sardines… Or corn.

権太主導による若手狸たちの最初の作戦の後、勢いに乗った権太が人間の殲滅を宣言する中、ぽん吉が弱々しくはなった台詞。結果的に強硬派の権太ですら、ある程度の人間は残すという決断をしてしまう。

非常にコミカルで「平成狸合戦ぽんぽこ」を象徴するような台詞なのだが、物語全体の構造を考えると非常に切なくも感じられる。この切なさを言葉にするのは非常に難しいのだが、その根本にあるのは「どうあがいても狸たちは負けていしまう」という現実にあるだろう。

つまり、「そんなことだから負けちまうんだよ!」と気軽にツッコミを入れることができる一方で「そうでなくても負ける」という現実が、むしろぽん吉の言葉を肯定している。どうせ負けるだから仲良くやろうよと。

この物語は基本的に「変化できる優秀な側」の目線で語られる。その最たる存在がぽん吉の親友であった正吉だったのだが、結局戦いの行く末を最初から見据えていたのはぽん吉のような「ふつうの狸」だったということになるのかもしれない。

物語の最後、変化狸たちは屈辱の中で人間として生きることを決めるが、ぽん吉たちはちゃんと狸として生きていた。同しようもない「状況」に飲み込まれた時、それを俯瞰できればそれが一番良いのかもしれない。ぽん吉のように。

英語表現としては特に面白いところはなかったが、吹替版は少々興味深かった。吹替版では「It’s just that if we get rid of all the humans and that means we’ll never eat Tempura again. Or beef jerky. Or popcorn」となっており「Tempura」は一致しているのだが「サンマの干物」が「beef jerky」、「トウモロコシ」が「popcorn」に変更されていた。

より「ジャンキー」な感じがするということなのだろうか。確かにその後に「ハンバーグ」や「ドーナッツ」が続くので吹替のほうが適切なのかもしれない。

「テレビや何かでいうでしょう? “開発が進んで、タヌキやキツネが姿を消した”って。あれ、やめてもらえませんか? そりゃ、確かにキツネやタヌキは化けて姿を消せるのはいるけど…。でも、ウサギやイタチはどうなんですか?」

英語表現

On TV, they’re saying that foxes and raccoons…have disappeared because of urban sprawl. Could you stop saying that? Of course, some raccoons and forces can transform. But what about the rabbits and the other animals? Some of us can’t just disappear.

物語のラスト、正吉と再会を果たしたぽん吉の台詞。この台詞をどう捉えるかでそれぞれにとっての「平成狸合戦ぽんぽこ」の意味合いが変わることになると思われる。

もちろん、彼が言っているのは「狸、狐、兎、鼬を殺したのはお前らだ!」ということになるのだが、大事なことは「だから何だというのか?」だろう。

映画本編でも描かれているが、狸は鼠を食べる。どうも弱った鳥類も食べるらしい。そうなると、「鼠や鳥を殺したのはお前らだ!」という言葉が彼らに帰っていくことになるだろう。

別にその状況に何ら矛盾はないのだが、物語のラストに極めて柔らかな言葉のこの状況をぽん吉に言わせた理由は他にあるように思える。

その意味を考えるためには、「平成狸合戦ぽんぽこ」という物語が結局何をしていた物語なのかを客観的に思い出す必要があるだろう。

結局のところ–狸たちの独り相撲ではあったが–狸たちがやっていたことは人間との縄張り争いであった。

そして我々はついつい忘れてしまのだが、人間はず~っと人間以外の動物と縄張り争いを続けているのである、この瞬間も。

我々人間は「化け学」を持たないのだが、やたらと器用で知恵を受け継ぐすべを持っており、十分に数が増えたために、今のところ多くの動物に対して縄張り争いに勝ってはいる(特に都市という「人間の巣」においては)。

「平成狸合戦ぽんぽこ」においても人間は意識してはいないのだが、実のとことろ人間も山の動物に対して縄張り争いを仕掛けていたのである。

そして私が思うに、ぽん吉のこの台詞の意味するところは・・・

縄張り争いをしていることを忘れるな!

になると思う。これが「狸、狐、兎、鼬を殺したのはお前らだ!」と僅かにニュアンスが違うところは、「縄張り争い」は別に悪ではないということである。単に何かを殺すことは悪いことなのかもしれないが、「縄張り争い」の結果となると必ずしも「悪」とは言えないだろう。結果として得られた縄張りには人々の生活が有るのだから。

でも結果として多くの動物を殺していることには自覚的であるべきである。それが我々人間の持つギリギリのバランス感覚ということになるだろう。

その状況が耐えられないなら、我々が消えるしかない。でも、私はその選択をできるほどに強くはない。そして人にも共用できない。

なんとも悩ましい問題であるが、そういう思いを我々に抱かせるために、わざわざこの台詞をぽん吉に話させたのだと思う。

英語表現としては「urban sprawl」が大事だろう。これはいわゆる「スプロール現象」のことであり、無計画な都市開発によって、住宅等が無秩序に拡大する現象をいう。吹替版では「Uh… Hello. Many of you have probably heard. Someone on the news saying how animals are disappearing because of development. I don’t think that’s quite accurate. It’s true that some raccoons can transform and disappear although, What about things like rabbits and badgers. They can’t transform, so where do they go?」となっていた。「accurate」は「正確な」、「badger(バッジャー)」は「アナグマ」という意味である。

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鶴亀和尚の名言、名台詞と英語表現

「オラたちタヌキはヒトがいい。調子に乗る、サービスしすぎる!これが、失敗の元じゃ」

英語表現

We are raccoons are too trusting. It’s easy for human to fool us. Then we get into trouble. Does everyone understand?

人間との付き合い方の基礎について紙芝居を利用して若いタヌキたちに伝えている際の台詞。この後鶴亀和尚が「例えばわしが『た~ぬきさ~ん、た~ぬきさ~ん、あ~そぼう~じゃないか』と」というと「い~まじゅ~ぎょう~のまっさ~いちゅう」と答えてしまい、タヌキたちののりの良さが露呈してしまう。

なんともコミカルで愛らしいシーンを飾った台詞なのだが、鶴亀和尚の生涯を想像すると少々違った味方もできてくる。

ポイントとなるのは「和尚」という表現と彼が万福寺をねぐらとしていたという事実である。おそらく、彼はかつて人のいなくなった万福寺で和尚のふりをして人間を化かそうとしたのではないだろうか?そして和尚のふりをしている内に本当に和尚として生きていたが、それでも結局人々は万福寺を忘れ廃れてしまったのである。

この辺のことを膨らませて「もののけ姫」と比較してみたのが以下の記事である:

もののけ姫」は宮崎駿が作った「平成狸合戦ぽんぽこ」であるという話。「もののけ姫」は1997年に公開された宮崎駿監督による劇場用アニメーション作品である。 子供の頃に映画館で見た思い出の作品...

この台詞は誰よりもサービス精神を発揮してしまった鶴亀和尚の自戒の念だったのかもしれない。

英語表現としては「trusting」がまず大事だろう。「trusting」は「人を信じて疑わない」という意味になる。また「fool」を他動詞としてつかうと「騙す、欺く」という意味になる。吹替版では「We raccoons are too good natured. We shouldn’t try so hard to please. This is where we all go wrong. You understand?」となっていたが「natured」は「~な性質を持つ」といったいみで「cold-natured」なら「寒がり」、「evil-natured」なら「腹黒い」などとなる。

「作戦の犠牲となった気の毒な人間たちに、まずは惜しみない哀悼の意を証すべきではあるまいかの?」

英語表現

The human who died were victims of this war. First we should pay our respects to the memories of those who died.

権太主導による最初の対人間作戦の終結後、浮かれるタヌキたちにをたしなめるように鶴亀和尚が放った台詞。タヌキたちは一瞬鶴亀和尚の言葉に従い黙祷を捧げるふりをしてはいたが、結局お祭りに興じてしまった。

結局タヌキたちに人間を追悼する気持ちなどまったくなかったということになるのだが、その状況を逆手に取ると鶴亀和尚だけは本気で追悼しようとしていたということになると思う。

これもおそらくは鶴亀和尚のバックグラウンドが影響しているだろう。「オラたちタヌキはヒトがいい。調子に乗る、サービスしすぎる!これが、失敗の元じゃ」でも書いたが、鶴亀和尚は人間を化かすために本当に和尚として振る舞っていた時期があり、それ故に本当に和尚になってしまった。そしてそれくらいに人間との触れ合いがあったがゆえに、鶴亀和尚には素朴な哀悼の念が芽生えたのだろう。

英語表現としては「pay one’s respect to ~」が大事だろう。この表現は「~に敬意を表する」という意味になる。吹替版では「This isn’t time for celebration. Three humans died because of us. Shouldn’t we be paying our respects to those poor people who were victims of this operation?」となっており、同じ表現が使われている。

「このうえは、『妖怪大作戦』を実行したのがオラたちタヌキであることを人間たちの前に明らかにするしかないとオラは思うがの」

英語表現

Our only choice is to tell the humans…that Operation Goblin was the work of us racoons.

映画を見ている我々の誰一人として成功するとは思えなかった「妖怪大作戦」の想像通りの失敗を受けて、すべてのタヌキたちが絶望する中、鶴亀和尚だけはこのように訴えていた。大切なことは、対話という方法を思いついているのは鶴亀和尚だけだったということである。

上の二つの台詞でも述べた通り、鶴亀和尚にとっての「人間」はそれ以外のタヌキたちよりも身近であった過去があった可能性がたかいので、ギリギリ対話というアイディアが出たのではないだろうか。

鶴亀和尚だけはは我々人間を最後まで信じてくれていたのである。

英語表現としてはやはり「Operation Goblin」だろう。これはもちろん「妖怪大作戦」の英訳なのだが、それは翻訳するのは困っただろう。我々日本人ですら「妖怪」とは何かを実のところわかってはいない。そういった中でギリギリの選択が「Goblin」だったのだろう。

そして・・・吹替版では「It seems to me that we raccoons have finally come to a point where we have absolutely no choice. We must reveal to the humans that we were the ones who staged Operation Specter. 」となっており「妖怪大作戦」は「Operation Specter」となっている。一般的に「specter」は「亡霊」などと訳される。ただ、山の頂上などで見られる「ブロッケン現象」の影が「Brocken specter(ブロッケンスペクター)」であることを考えると結構いい線をついているかもしれない。何れにせよ本質的に翻訳不可能な単語はお互いに存在するのだろうから、翻訳作業は大変な仕事である。

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文太の名言、名台詞と英語表現

「人間どもの方がタヌキだったんだ!奴らタヌキの風上にも置けないクサイクサイ古狸なんだ!」

英語表現

They were raccoons after all. Old, stinking raccoons!

佐渡に団三郎狸を招聘に向かった文太が、物語のラストで変わり果てた多摩丘陵を見たときの台詞。

作品を通じて多摩丘陵の開発の様子はきちんと描かれてはいるのだが、タヌキたちのドタバタ劇に気を取られて実際にどれくらい開発が進んでいるのかあまり気づかずにいるのだが、文太の反応を見て私達映画を見ている側も我に返る

そして、私達自身が人間のやったことに化かされたような気分に陥るのである

我々人間にタヌキの変化術のような一瞬でなにかを変化させる力はないが、総力戦でこつこつとなにかを作り上げる力には長けている。アリのような小動物も同様の力を持っているが、人間くらいの大きさでこれをやれてるのは人間くらいだろう。

さらに現代社会においては、我々は同類が作ったはずの魔法のような機器に囲まれている。スマホは使えるがスマホを作れないし、電子レンジは使えるが電子レンジは作れない、高層マンションで暮らすことはできるが建てることはできない。

きっと私達は私達自身に馬鹿されながら生きているのだろう

その先にあるのは滅びだろうか?それでも私達は「どっこい」生きることができるだろうか?

この映画は「今」に響く作品だったと思う。

英語表現としては「stinking」だろうか。基本的には「くさい」という意味なのだが、強調の副詞として使われることもあり「stinking drunk」といえば「ひどく酔った」となる。吹替版では「The only way this makes any sense is if all you humans are raccoons! You’re all stupid, evil, selfish, raccoons!」となっていた。

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太三朗禿狸の名言、名台詞と英語表現

「突然、人間たちは森羅万象の神秘に驚き、いかに人間が卑小な存在であるかを思い知るのじゃ」

英語表現

They will be dumbfounded by the mystery of the cosmos and realize how insignificant humanity really is.

四国の長老肝いりの「妖怪大作戦」の遂行後、興奮冷めやらぬ多摩のタヌキたちに太三朗禿狸が優しくかけた言葉。

映画を見ているすべての人が「こいつ何いってんだ?」と頭の中がはてなマークでいっぱいになったことだろう。この気楽さ、想定の甘さが「平成狸合戦ぽんぽこ」の良いところでは有るのだが、タイミング的に流石に笑いづらいところまで来ている。

自責の念もあったのか、あるいはこの世に絶望したのか、結局太三朗禿狸は「踊り念仏」の教祖となり、「並のタヌキ」たちと集団自決の道をたどることとなる。

ところが、並のタヌキでありながらこの集団自決から逃れたものがいた。それがぽん吉である。

物語のラストで正吉はぽん吉と再会している。つまり、ぽん吉集団自決を逃れていた。

思えばぽん吉は、そもそも化け学復興にも懐疑的だったし、なにか他のタヌキたちとは違っていた。「平成狸合戦ぽんぽこ」の裏の主人公は間違いなくぽん吉である。そう私は思う。

英語表現としてはやはり「dumbfound」だろう。恥ずかしながら私はこの単語を知らなかったのだが、基本的な意味は「非常におどろく」ということになる。あえて「surprised」などの我々がよく知る単語が使われていないところを見ると少々文語的なのかもしれない。

吹替版では「And now since they’ve witnessed something they can’t explain no matter how hard they try, they will be forced to realize that humans are not the only worthy form of life in the universe.」となっており「スターウォーズ」のヨーダの台詞のようになっている。これもなかなかおもしろい。

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竜太郎の名言、名台詞と英語表現

「種を保存するなら、できるだけ優秀な遺伝子を残すべきです!」

英語表現

At least the strongest ones will survive.

多摩のタヌキたちが仕掛けた「妖怪大作戦」の見事な失敗の後、ある意味における「同類」であった変化狐の龍太郎が六代目緊張に接触。「人間として生きる」という作戦を提示した龍太郎に対して六代目金長が「並のタヌキはどうする」という真っ当な問いかけをするのだが、それに対して龍太郎がしてみせたドライな返答。

思い悩む六代目金長との対比があるのでついつい「狐は冷たい連中だ!」と思ってしまいそうなのだが、「何を言ったか」と「どう思っていたか」は別である。

きっと多摩の狐たちにも「昭和狐合戦こんこん」があった。

しかし、竜太郎はその「いろいろ」を話すことをためらったのだろう。それは「自分ごと」だから。

何やら器用に見せてはいたが、竜太郎を始めとする狐たちもきっとタヌキと同じように「不器用」な連中なのだったのだろう。語られなかった彼らの物語にも思いを馳せるべき。そんな気がする。

英語表現としては極めて簡素になっており、この台詞の持つ辛辣さがより際立っている。吹替版では「The fittest can survive in order to species to continue. 」となっている。ここで使われている「fittest」は「fit」の最上級なので「最も適したもの」ということにはなるのだが、おそらくハーバート・スペンサーの「survival of the fittest(適者生存)」を意識していると思われる。

ジブリ作品で一番好きなのは?
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シフルはどうなんだい?
「ジブリ作品」と聞かれたら「平成狸合戦ぽんぽこ」と答えることにしている。

この記事で使用した画像は「スタジオジブリ作品静止画」の画像です。

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北国出身横浜在住の30代独り身。日頃は教育関連の仕事をしていますが、暇な時間を使って好きな映画やアニメーションについての記事を書いています。利用したサービスや家電についても少し書いていますが・・・もう崖っぷちです。孤独で死にそうです。でもまだ生きてます。だからもう少しだけ生きてみます。
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