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千と千尋の神隠し】登場人物&声優一覧とキャラクター考察

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「千と千尋の神隠し」は2001年に公開された宮崎駿監督による劇場用アニメーション作品である。

今回はその登場人物と声優を振り返りながら、各々の登場人物の物語を考えようと思う。「千と千尋の神隠し」の登場人物はどんな人々だったのだろうか?

以下の文章では不意にネタバレが挟まれますので、その点はご注意ください。

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千と千尋の神隠し」の主要な登場人物&声優一覧

名前年齢声優

荻野千尋(おぎのちひろ)

10歳柊瑠美

ハク

12歳(外見年齢)[1]入野自由

湯婆婆(ゆばーば)

夏木マリ

銭婆(ぜにーば)

夏木マリ

坊(ぼう)

神木隆之介

釜爺(かまじい)

菅原文太

リン

14歳(外見年齢)[2]玉井夕海

カオナシ

中村彰男
[1]
金曜ロードショー公式ツイッターの投稿による。
[2]
金曜ロードショー公式ツイッターの投稿による。
   

登場人物と声優の基本情報とキャラクター考察

荻野千尋|声優:柊瑠美

荻野千尋(おぎのちひろ)の基本情報

物語の主人公。年齢は10歳。父親の運転する車の中で転校に関してぶーたれているところから始まり、

  1. 面白がった父親が突如脇道に侵入し、
  2. 千尋が止めるのも聞かずに両親が不気味なトンネルに入り、
  3. 奇妙な温泉街の食事処で無許可で食事をとり、
  4. 結果として豚になってしまい、
  5. その上千尋自身の存在が消えてしまうかもしれな危機的状況に陥る。

ということが矢継ぎ早に発生する。これだけやられれば我々は自動的に千尋を応援してしまう。特に「勝手な両親の犠牲者」に見えるので、その応援の熱はほぼ強制的に上げられることとなる。

そんな千尋は「油屋」での労働を通じて人間的な成長を遂げるわけだが、そのハイライトがラストで湯婆婆から課される最後の試練ということになる。

あの場面で千尋は、なぜか豚の中に自分の親がいないことを看破する。映画館で初めてあのシーンを見たときには「え?なんで?」と思ったものだが、この問題について個人的に考えたことを以下の記事にまとめている:

千と千尋の神隠し】千尋はなぜ豚の中に親がいないとわかったのか-苦団子の謎を添えて-千と千尋の神隠し」は2001年に公開された宮崎駿監督による劇場用長編アニメーションである。公開当時は中学生くらいだったと思うが、何かし...

記事の中では色々と考えているが、今となっては宮崎監督が言うように「そういうもの」ということでいいような気もしているが、皆さんはどのように考えているだろうか?

声優を努めた柊瑠美さん

声を担当したのは女優の柊瑠美(ひいらぎるみ)さん。声を担当した当時は14歳であった。

アニメの声優としては「崖の上のポニョ」の婦人(物語の終盤で夫と子供と一緒にボートに乗っていた婦人)、「コクリコ坂から」の広小路幸子(コクリコ荘に下宿するメガネを掛けた美大生)も担当している。

ハク|声優:入野自由

ハクの基本情報

物語の序盤から千尋を助けてくれる謎の少年。

物語の終盤、今では埋め立てられてしまった「琥珀川」の主であったことが明らかとなる。ハクの真の名は「ニギハヤミコハクヌシ」であり、湯婆婆に弟子入りする際にその名前を奪われていた。

好印象に始まり好印象に終わったハクだが、その「正体」について現在まことしやかに囁かれていることがある。つまり、ハクは「幼少期に川に落ちた千尋救うために命を落とした兄」であるというのである。

聞いただけでは納得できないとは思うが、意外と説得力のある説である。この説については以下の記事にまとめている:

千と千尋の神隠し】ハクの正体と銀河鉄道の夜、そして神秘の手千と千尋の神隠し」は2001年に公開された宮崎駿監督による劇場用長編アニメーションである。 今回は「千と千尋の神隠し」の主要人物...

皆さんはどう思うだろうか。

声優を努めた入野自由さん

声を担当したのは声優の入野自由(いりのみゆ)さん。声を担当した当時は13歳であった。

多くの作品で主役または主役級の役を担当しており、例えば「アイシールド21」の小早川瀬那、「ツバサ・クロニクル」の小狼、「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」のじんたん、「おそ松さん」のトド松、「モブサイコ100」の影山律などを担当している。

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荻野明夫|声優:内藤剛志

荻野明夫(おぎのあきお)の基本情報

千尋の父親で38歳。絵コンテによると建設関係の会社で働いている。

どうやらお調子者の彼は、物語スタートと共に、

  1. 誰も頼んでないのに怪しげな横道に侵入、
  2. もっと怪しげなトンネルにズケズケと突入した挙げ句、
  3. 店員もいない食事処の食べ物を勝手に食べ漁り、
  4. 結果的に豚にされる

という「ウルトラC」の連発であった。自分の親には持ちたくはないと思ってしまうが、彼のお陰で「千と千尋の神隠し」という物語は見事に開幕してくれたわけである。

子供の頃に映画館で彼の姿を見たときにはずいぶんと千尋に同情的になったものだが、今になって考えると少しだけ彼を弁護できるかもしれないとも思う。

つまり、彼がある種の「暴走」をしたのは不穏な社内の状況を変えるためだったのではないかとも思える。彼が最も危惧したのは「ぶーたれた千尋と母親との喧嘩」だったのではなかろうか。

彼本人としては自分の仕事が理由で転校を余儀なくさせているという負い目があるから千尋の状況にも目をつむっている部分があると思うが、母親は違う。すでに話がついているはずの「転校」について、あれ以上千尋がぶーたれていたら起こり始めていた可能性は高いだろう。

そんな空気を変えようとある意味で自分が悪者になったと思えば、彼の暴走も少しは分かってあげられるのではないだろうか。

それでも彼が勝手に食事を始めたことは擁護しがたいけれど。

声優を努めた内藤剛志さん

声を担当したのは俳優の内藤剛志(ないとうたかし)さん。子供の頃から多くの作品に出演しているの見てきたが、刑事役のイメージが強いかもしれない。私の世代なら「人気者で行こう」というバラエティ番組の出演者としてお覚えいている人も多いだろう。

アニメーションの声優としては、「ゲド戦記」のハジア売り(アレンに麻薬「ハジア」を売りつけようとしたジコ坊みたいなおっさん)、「コクリコ坂から」の小野寺善雄(作品のラストに登場した航洋丸の船長)などを担当している。

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荻野悠子|声優:沢口靖子

荻野悠子(おぎのゆうこ)の基本情報

千尋の母で35歳。

物語のスタートから少々千尋に対してそっけない空気を出し続けている人物。子供の頃に映画館で見たときには少々違和感があったのだが、よくよく考えると、そもそも千尋がぶーたれていることに少々苛ついているし、あの素っ気なさこそが「親の余裕」というものだろう。

千尋をおいてトンネルに入っていけるのも親ならではの行動だろう。クズっている子供にいつまでも付き合っていてはキリがない。「お母さん先に行くよ!」と言われた経験のある人は多いだろう。

したがってあの素っ気なさは対して違和感を覚えるべきものではないのだが・・・これには他の解釈も存在している。

それは「ハクの正体」に関連しており以下の記事にまとめている:

千と千尋の神隠し】ハクの正体と銀河鉄道の夜、そして神秘の手千と千尋の神隠し」は2001年に公開された宮崎駿監督による劇場用長編アニメーションである。 今回は「千と千尋の神隠し」の主要人物...

皆さんは彼女の千尋への態度をどのように考えるだろうか。

声優を努めた沢口靖子さん

声を担当したのは俳優の沢口靖子さん。現在では「科捜研の女」の主演として広く認識されていると思われるが、私が初めて認識したのは「ゴジラ(1984年)」の奥村尚子役だった。そしてなぜか「古畑任三郎」の第2シリーズ「笑わない女」の犯人役 宇佐美ヨリエも印象に残っている。

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湯婆婆|声優:夏木マリ

湯婆婆(ゆばーば)の基本情報

「油屋」の経営者である魔法使い。

「求めるものに仕事を与える」というとんでもない契約によって魔法の力を得て維持している。そんなことをしていたら経営の破綻は必然であるが、そうなっていないところを見ると敏腕経営者なのだろう。

そんな湯婆婆は従業員となったものを支配するために名前を奪い新たな名前を与えている。極めて自然に描かれており、納得度も高いのである意味でスルーしてしまう設定なのだが、湯婆婆は本当に名前を奪っているのだろうか?

どう考えても奪ってはいるのだが、もう少し別の見方をするのが本来自然であるように個人的には思える。この点に関しては以下の記事にまとめている:

千と千尋の神隠し」で湯婆婆が名前を奪うのは何故なのか?前回は「千と千尋の神隠し」のラストで、何故千尋は豚の中に親がいないということが分かったのかについて長々と書いてみた。 http...

皆さんは「名前を奪う」という湯婆婆の行動をどのように考えるだろうか?

声優を努めた夏木マリさん

声を担当したのは俳優の夏木マリさん。多くの作品に出演している方だが、個人的には「ピンポン」のオババ役が強烈に残っている。あの作品はすべての人がはまり役だったが、夏木マリさんの説得力は大きかっただろう。また舞台版の「千と千尋の神隠し」でも湯婆婆と銭婆を演じている。

個人的には意外だったが、アニメーションの声優はそれほど担当してはいないようで、「風を見た少年」、「君は彼方」という作品で声を担当しているようである(残念ながら私はどちらも見ていない)。

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銭婆|声優:夏木マリ

銭婆(ぜにーば)の基本情報

湯婆婆の双子の姉の魔法使いで、釜爺からも恐れられている存在である。

そんな銭婆はなぜか「沼の底」という名前からして陰気な場所で質素な暮らしをしている。派手な生活をしている湯婆婆とあまりに対象的な存在だが、銭婆と湯婆婆を巡ってはいくつか「謎」が存在している。例えば、

  1. 銭婆の魔女の契約はなにか?
  2. 湯婆婆は何故銭婆の契約印をハクに盗ませたのか?
  3. 湯婆婆と銭婆は何故離れて暮らしているのか?

である。この辺のことについて個人的に考えたことを以下の記事にまとめている:

湯婆婆が銭婆(ぜにーば)の契約印を盗もうとしたのは何故なのか?【分裂した宮崎駿としての姉妹】前回は、「湯婆婆が名前を奪う理由」について考えたが、今回は湯婆婆と銭婆の魔法とその契約について考えようと思う というのも、「千と千...

この辺の謎を考えることが「千と千尋の神隠し」を楽しむ事始めになるように個人的には思える。

声優を努めた夏木マリさん

湯婆婆」の欄と同じ

坊|声優:神木隆之介

坊(ぼう)の基本情報

湯婆婆の子供だが、湯婆婆のことを「ばあば」と呼んでいる。

坊は子供ではあるが巨体であり、巨体ではあるがハイハイをしている。なんとも奇妙な存在だが、物語の終盤、銭婆の魔法によってネズミに変えられ、銭婆の家で実益を兼ねた仕事を積み重ねることによってダイエットに成功。物語のラストでは直立二本足歩行を実現している。

そしてそんな坊は、その存在そのものがどうにも謎である。

「謎」という言葉には様々なニュアンスがありうるが、ここで私が言いたい「謎」は「坊がいなくても物語は進むはずなのになぜ坊というわけのわからない登場人物が配置されたのか?」という「謎」である。

これは個人的に長いこと懸案事項であったのだが、一つの「解答」に達することができた。

つまり、「坊」という存在は「湯婆婆」という絶対権力者に「人間味」を与えるための存在となっているということである。

実際、頑なに千尋を拒絶した湯婆婆が結果として千尋と契約を結ぶことになった背景に「坊のぐずり」があった。「油屋」の経営を考えると千尋を雇う余裕などなさそうなものだが、「坊」という自分よりも大切な存在に対応するのに手一杯でついつい千尋と契約を交わしてしまったのである。

「千と千尋の神隠し」という物語の全体像を鑑みて別の言い方をすると、「坊」は絶対権力者にもアキレス腱はあるということの象徴だったと言えるかもしれない。

「坊」という存在には様々な見方があると思うが、現状の個人的な理解はこのようなものである。

声優を努めた神木隆之介さん

声を担当したのは俳優の神木隆之介さん。多くの映画、ドラマに出演する俳優である。声優も多数こなしているが「千と千尋の神隠し」の坊役が声優としての最初の仕事であり、当時は8歳だったそうな。

坊役以外にも多くの声を担当しており、「ハウルの動く城」のマルクル、「サマーウォーズ」の小磯健二、「君の名は」の立花瀧、「すずめの戸締まり」の芹沢朋也などを演じている。

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釜爺|声優:菅原文太

釜爺(かまじい)の基本情報

「油屋」のボイラー室で働く老人。クモのような外見で、6本の腕を駆使して働いている。従業員の中でも明らかに古参であり、どうやら銭婆の事も知っている口ぶりだった。

「油屋」で右も左も分からない状態の千尋をリンと共に支えてくれた「いい人」であり、画面に釜爺が出てくるだけでなにやら「安心感」を得ることができる。映画を見続ける上で重要な緩衝材になってくれていた人物である。

宮崎駿作品に度々登場する「そっと手助けしてくれる大人」であり、自分もこんな大人でありたいと思う。全然できてないけど。

声優を努めた菅原文太さん

声を担当したのは俳優の菅原文太さん。子供の頃から多くの作品で出会った人であるはずなのだが、自分が見たこともない「トラック野郎」や「仁義なき戦い」というイメージが強烈に存在している。じゃあ自分の記憶に明確に残っているのはどんな役かというと「古畑任三郎」第1シリーズ最終話「最後の挨拶」の小暮音次郎役である。沢口靖子さんもそうだったが、結局私は「古畑シリーズ」が好きなだけだったのかもしれない。

アニメーションの声優としては、「ゲド戦記」のハイタカ、「おおかみこどもの雨と雪」の韮崎のおじいちゃんなどを担当している。

リン|声優:玉井夕海

リンの基本情報

千尋の先輩にあたる「油屋」の従業員。他の従業員の前では千尋を邪険に扱うことはあるが、その実新人の千尋を気にかけてくれる優しい「姉御」である。

そんなリンは「油屋」を離れて海の向こうに渡ることを夢見ている。彼女の夢が叶うことを祈らずにはいられない。

よく考えると「油屋」で働いている以上リンも名前を奪われているはずだが、実際にはどんな名前だったのだろうか?湯婆婆の名付けのセンスを考えるとどこかに「リン」という音声が入っていたと思われるが、なにか設定はあったのなら知りたいものである。

声優を努めた玉井夕海さん

声を担当したのは歌手の玉井夕海(たまいゆうみ)さん。アニメーションの声優としては「亡念のザムド」の紅皮伊舟を演じている。

父役|声優:上條恒彦

父役(ちちやく)の基本情報

「油屋」の従業員。役職的には最も高い地位にいる。

他の従業員に対しては基本的には偉ぶる態度をとり、千尋にも厳しかったが、カオナシの暴走を収束冴えた後は千尋に同情的な態度を取っていた。

声優を努めた上條恒彦さん

声を担当したのは歌手、俳優の上條恒彦(かみじょうつねひこ)さん。非常に力強く特徴的なボーカルで、「木枯し紋次郎」の主題歌「だれかが風の中で」が最も有名な曲と思われる(CMソングとして記憶している人も多いだろう)。

アニメーションの声優としては「紅の豚」のマンマユート・ボス、「もののけ姫」のゴンザなども演じている。

兄役|声優:小野武彦

兄役(あにやく)の基本情報

「油屋」の従業員。父役の次に偉い立場にいる。

カオナシに飲み込まれるという悲惨な目にあったが、千尋の苦団子アタックによって救出された。

父役同様に、カオナシの暴走の前後で千尋への態度を新たている。

恩義に厚いいえばそうなるかもしれないが「現金なやつ」と言うこともできるだろう。

声優を努めた小野武彦さん

声を担当したのは俳優の小野武彦(おのたけひこ)さん。多くの作品に出演している方だが「踊る大捜査線」のスリーアミーゴスの一人袴田健吾の印象が強いかもしれない。個人的には「ラヂオの時間」の野田勉役がなぜか記憶に残っている。

アニメーションの声優はあまり担当していないようである。

番台蛙|声優:大泉洋

番台蛙(ばんだいがえる)の基本情報

「油屋」の従業員。番台に座って薬湯の札を渡す仕事をしている。

声優を努めた大泉洋さん

声を担当したのは俳優の大泉洋(おおいずみよう)さん。北海道のローカル番組「水曜どうでしょう」で人気を博し、今や全国区のスターとなった人物。私も「水曜どうでしょう」のファンである。

アニメーションの声優も多く担当しており、「茄子 アンダルシアの夏」のぺぺ、「ハウルの動く城」のカブ、「レイトン教授と永遠の歌姫」のレイトン教授、「バケモノの子」の多々良などを担当している。

青蛙|声優:我修院達也

青蛙(あおがえる)の基本情報

物語の序盤ではハクに気絶させられ、終盤ではカオナシに飲み込まれるという散々な目にあった。

父役、兄役同様に、千尋に救われてからは千尋をかばう態度を取っている。

声優を努めた我修院達也さん

声を担当したのは我修院達也(がしゅういんたつや)さん。一度見たら二度と忘れることのできないルックスの個性は俳優さんである。

ジブリ作品では「ハウルの動く城」のカルシファーも担当している。

カオナシ|声優:中村彰男

カオナシの基本情報

千尋の導きによって「油屋」に入り込んだ。

基本的には「あ・・・あ・・・」とつぶやくのみで、自らの意志を表明することはない。その一方で、青蛙や兄役を飲み込み「他人の声」を手に入れると一気に態度をデカくする。

結局は「自分の言葉(意志)を持たず、他人の言葉でしかものを語ることのできないくだらない奴」の象徴となっている。

ではそんなカオナシにどんな福音が用意されていたかというと、宮崎駿作品の定番の「労働」である。彼は銭婆のもとで「仕事」を得たことによって救われているのである。彼が仕事を失わない限り、あのような暴走をすることはないのだろう。

このカオナシについては当時スタジオジブリのアニメーターであった米林宏昌がモデルであるという噂があったが、本人によると、米林さんが書いたカオナシを見て、宮崎監督が「まろ(米林さんのあだ名)にそっくりじゃないか」と発言したことが発端となっているそうである(参考:「『思い出のマーニー』米林監督、カオナシのモデル説の真相を明かす!」)。

声優を努めた中村彰男さん

声を担当したのは俳優の中村彰男(なかむらあきお)さん。「あ・・あ・・」としか言っていなかったともうのだが、わざわざ俳優さんを起用していたことには驚かされる。

アニメーションの声優としては「エウレカセブン」のマシューの声も担当している。

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その他の登場人物

オクサレ様/河の主|声優:はやし・こば

物語の中盤に登場した全身が泥にまみれて悪臭を巻きちらす神。当初湯婆婆は「腐れ神」と断じて店から追い返そうとするが、千尋やリンの頑張りでその正体が名のある河の主であることが判明。結果的に「油屋」はその報酬として大きな収入を得ることになった。

この一見は千尋にとっての重要な成功体験であり、彼女を人間的に成長させた重要なイベントであった。

声を担当したのは作曲家のはやし・こばさんである。

おしら様|声優:安田顕

物語の序盤で、「油屋」のエレバーターに千尋と同情していた真っ白な大根の神。

おしら様」といえば本来東北地方で進行される神であり、農業の神などとされる。

声を担当した俳優の安田顕(やすだけん)さんは、「ハウルの動く城」の兵士Aなども担当している。

春日様(かすがさま)

物語の序盤、「油屋」のある温泉街船についた船からぞろぞろと降りてき尺をもった不気味な様相の神。

春日様」といえば神道のかみであり、日本全国に「春日」の名がついた神社が存在する。

牛鬼(うしおに)

「油屋」の利用者として合わられた「なまはげ」のような様相をした神。

牛鬼」は西日本に伝わる妖怪で、浜辺を歩く人をおそうとされている。

オオトリ様

「油屋」の利用者として登場した巨大な雛の姿をした神。

頭(かしら)

湯婆婆の部屋にいた鬼というかおっさんの顔をした緑色の頭だけの怪物。

銭婆の魔法によって坊に変身させられた。湯婆婆によってその魔法は解かれたのだが、その後の登場がない。

物語のラストで千尋を送る「油屋」の従業員たちの中にもいなかったので、湯婆婆の逆鱗に触れるてしまって悲惨な最後を遂げたのかもしれない。

湯バード(ゆばーど)

湯婆婆の部屋にいたカラスのような鳥。顔は湯婆婆とそっくりである。

銭婆の魔法によってハエドリに変えられてからは坊と一緒にコミカルな姿を見せてくれた。

ススワタリ

釜爺と共にボイラー室で働いている。

「となりのトトロ」に登場したマックロクロスケとほぼ同じ姿をしているが、こちらには手足がついている。

千と千尋の神隠し」の英語版声優一覧

キャラクター名声優
荻野千尋デイヴィ・チェイス
ハクジェイソン・マースデン
湯婆婆スザンヌ・プレシェット
銭婆スザンヌ・プレシェット
釜爺デヴィッド・オグデン・スティアーズ
リンスーザン・イーガン
父役ポール・エイディング
兄役ジョン・ラッツェンバーガー
カオナシボブ・バーゲン
青蛙ボブ・バーゲン
番台蛙ロジャー・バンパス
タラ・ストロング
荻野明夫マイケル・チクリス
荻野悠子ローレン・ホリー

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「ジブリ作品」と聞かれたら「平成狸合戦ぽんぽこ」と答えることにしている。

この記事で使用した画像は「スタジオジブリ作品静止画」の画像です。

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北国出身横浜在住の30代独り身。日頃は教育関連の仕事をしていますが、暇な時間を使って好きな映画やアニメーションについての記事を書いています。利用したサービスや家電についても少し書いていますが・・・もう崖っぷちです。孤独で死にそうです。でもまだ生きてます。だからもう少しだけ生きてみます。
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