シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
2021年3月8日エヴァンゲリオン新劇場版が完結した。そしてそれはエヴァンゲリオンシリーズの完結も意味しているように思われた。
新海誠監督の「天気の子」もそうだったのだが、情報統制は絶対に無理だと思ったので、初日の午前中に行くことにした(そして行くことができた)。
見ている最中ずっとなにか熱いものを感じていたし、グッと来るシーンも沢山あったが、ギリギリ泣くことはなかった。
でも、これまでのエヴァンゲリオンシリーズのことや、今日に至るまでにかかった時間のことを考えながら帰っていると、ふと泣いてしまった。
私にとってはそういう「いい作品」だった。
急ごしらえではあるが、せっかくなので個人的に考えたことをまとめようと思う。
以下ネタバレしかありません。
色々と考えたこと
ようやくゲロった碇ゲンドウ
「シン・エヴァンゲリオン」の見どころとして外せないのは「碇ゲンドウのひとり語り」だろう。これまで散々シンジくんは自分の内面の真実を俺たちに暴露し続けてくれたが、今回ばかりはゲンドウも逃げることができず、ようやくゲロった。
ゲンドウがゲロったことは
- ずっと人と関わらず自分の殻にこもって生きてきたこと
- ユイとの出会いによって世界がバラ色になったこと
- したがってユイの喪失によって本当に絶望してしまったこと
- シンジのためだと言い聞かせてシンジから逃げたこと
- 本当はシンジが怖かったこと
- よく考えると「お母さんがいなくなっちゃってお父さんどうすればいいかわからない~」と泣きながらシンジを抱きしめればよかっただけだったこと。
初めての内面の暴露で恥ずかしかったかもしれないが、ゲンドウ安心しろ、俺たちみんなそんなこと知っていたよ。
まあ、ゲンドウくん本人の口から聞けたのは良かったね。結局の所、シンジくんの内面の暴露はそのままゲンドウの内面の暴露だったわけである。
「ユイへの執着」がシンジくんと異なるわけだが、一言シンジくんに言ってあげればよかったのに。随分遠回りをしたな、ゲンドウ。
うまくいった「劇場版Zガンダム」
作品の終盤で、シンジとゲンドウはエヴァンゲリオンに乗りながら親子喧嘩をする(次々と場面が転換する演出はなんとなく「うる星やつらビューティフル・ドリーマー」の終盤を思い出した)。漸く自分自身が求めていたことは「ユイとの再開」ではなく「ユイとのサヨナラ」だったことに気が付き「あッ!だったら補完計画いらねえじゃん!」と作戦を中断する。
そしてシンジくんはアスカもレイもカヲルも全員を救い出し、雑多で、軋轢があり、人がバラバラだけど、そこに大切な人がいてくれる「新世紀たる普通の世界」を作り出す(ここはジョジョ第6部の終わり方に近いかな)。
これって旧劇場版の最後にシンジが手にしかけた世界であり、「旧劇場版のときに俺たちがそうなってほしいと思ったラスト」だったような気がする。
この状況は「機動戦士Zガンダム」の劇場版のラストに近いかもしれない。
TV版のZガンダムでは、皆さんご存知の通り、主人公カミーユは「バーっと」なっちゃいましたが、劇場版では宇宙空間でファと抱きしめ合う。後者の展開はTV版のラストに我々が望んだものだったはずだ。
しかし、Zガンダムの劇場版の終わり方に関しては個人的には不満が残る。だってその後と整合性が取れない部分が出てきちゃうからね。
では「シン・エヴァンゲリオン」の終わり方に不満があるかといえば全くそんなことはない。むしろ「やったな!シンジくん!」であり「庵野監督ありがとうございます!」といった言った感想を持っている。
2つの作品は
- 最初の終わり方に不満があるもののなんとか自分なりに受け入れた
- 新しいエンディングそのものには満足している
という共通点があるが、やはりZガンダムはガンダムシリーズの完結にできないところが問題だったと思う。あれが完結編なら「やったな!カミーユ!」「富野監督ありがとうございます!」になっていたかもしれない。
何れにせよ「シン・エヴァンゲリオン」のラストは素晴らしかった。長い長い長い戦いがようやく終わった。やったな、シンジくん。
真希波が登場した衝撃的な理由
エヴァンゲリオン新劇場版最後の最後まで謎だったのが真希波マリである。例の写真に写っていつからゲンドウや冬月の古くからの知り合いであることはまず間違いなかったが、結局の所なぜ真希波マリという新しいキャラクターが必要だったのが分からなかったが、本当の最後の最後に明らかになった。なんと、
だった。いや~その手がありましたか。結局アスカは空白の14年間のうちにいい中になっていたケンスケとくっつき、レイはカヲルとくっつく。
不満が残る人もいるかも知れないが、私はあのカップリンで良かったと思う。
「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の「:||」の意味
「シン・エヴァンゲリオン」といえば題名の「:||」という反復記号があまりにも意味ありげであったので、様々な考察がなされていた。結局の所明確な形では回収されなかったが、あの反復記号はおそらく
我々が見たラストにたどり着くまでに何度も何度もシンジくんは世界を作り直したということであり、庵野監督自身そのために何度も何度も試行錯誤をしたということの現れなのだと思う。
シンジくんはラストで「エヴァのない世界」を作るのだから、それはつまり「こんだけやったんだからもういいよね、俺もうエヴァやんないよ」という庵野監督のメッセージでもあるだろう。
少々寂しい気もするが、我々に言えることは「おめでとう」の一言であろう。
最後に
まだ一回見ただけの感想だし、細かいことは気づいていないと思うので、後々考え方が食わってしまうかもしれないが、あのエヴァンゲリオンの完結編を最初に見た感想なので、いつまでも残そうと思う。
「:||」についても、もしかしたらこの後庵野監督が関わらない形でエヴァシリーズは続くのかもしれない。あるいは「劇場版:||」だからTVでなんかやるのかもしれない。
今後エヴァンゲリオンシリーズがどのように展開するかは分からないが、俺達にとっては「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」がエヴァシリーズの完結であり続けるような気がする。
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